佐伯港 「あさぎり」「くらま」公開 |
佐伯港での一般公開は、この前日に佐伯市在住のHP閲覧者から情報をいただきました。事前の告知が全くなかっただけに半信半疑で佐伯港に向かったのですが…。 埠頭に着く直前、佐伯湾には驚愕の光景が広がっていました。 沖合いに「あしがら」と「ちょうかい」が停泊しているのです。 鹿児島まで遠征して撮影した両艦が、今度は私を追っかけて来たかのように佐伯に入港しているのです。 こんな大物が人知れず入港しているとは…佐伯港、恐るべし! |
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埠頭には「あさぎり」と「くらま」がいました。本当にいた!(笑) 「くらま」は鹿児島遠征で思う存分撮影したので、今回は「あさぎり」メインの乗艦&撮影にしました。 「あさぎり」は呉で何度か撮影したことはあるのですが、艦橋内に入ったことはなかったので今回の公開は絶好のチャンスです。 それにしても2護群の護衛艦と練習艦の「あさぎり」がどうして一緒に入港しているのでしょう?妙な組み合わせです。 |
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乗艦後、さっそく艦橋内へ。艦橋構造物の右舷側にある入り口から入ります。 ほとんどの艦艇は艦橋構造物内への入り口は左右両舷に設けられているのですが、「きり」型は3ヶ所の入り口がすべて右舷側にあります。つまり左舷側に入り口はないのです。 かつて甲板士官をされていた幹部の方によると、日常業務やVIP来艦時に非常に不便だったということです。 「きり」型の評価を下げる大きな要因となっています。 |
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艦内に入ると目の前は士官室の入り口。 入り口の上には第16代海上幕僚長・長田博海将が揮毫した艦内表札が掛けられています。 長田海将は1985年8月から87年7月まで海上幕僚長を務めました。2年生(3号生徒)時に終戦を迎えた海軍兵学校76期生で、最後の海兵出身の海幕長でした。 長田海将の海幕長在任期間中に「あさぎり」は最終の艤装を行っていたことから揮毫が行われたと考えられます。 |
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士官室の入り口は暖簾(カーテン?)で中が見えなかったのですが、私が見たそうにしていたら、案内役の隊員さんが暖簾を開いて中を見せてくれました。 かつては士官室を公開する艦もかなりあったのですが、今では自衛隊関係者でなければ士官室を見ることはできません。それだけに貴重な経験です。やっぱ人が少ない公開はいいなぁ! 艦長をはじめとする幹部14人と、第1練習隊司令部の幹部4人が使用しています。 |
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梯子を2回登るとそこはもう艦橋。 イージス艦や「ひゅうが」で何回も階段をよじ登る経験をしたあとだと、びっくりするくらいあっという間に到着します。 艦橋内は「ゆき」型とほぼ同じような雰囲気。操舵輪の前には伝声管もあるなどクラシックな雰囲気さえ漂います。 ただかなり広い印象を受けました。単に人がいなかっただけかも知れませんが…(笑) |
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艦長席です。 「あさぎり」の艦長は二佐なので、シートカバーは赤青セパレートです。個人的には一佐の赤一色よりも二佐の赤青の席の方が心が躍ります(笑) 赤青2色の双眼鏡ストラップがカッコイイ!!いつも持って帰りたくなってしまいます…。持って帰るわけにはいかないので自作しようかと考えております。 艦長席に長時間居座るオッサンもおらず、軽快かつ気持ちよく撮影ができました! |
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艦橋右舷ウイング部から艦首を眺めた様子。前方には「くらま」が接岸しています。 それにしても低い!これでは見通しがきかないし、海が少しでも荒れれれば艦橋全体が波をかぶってしまいそうです。実際、荒天時の航海では見張りをウイング部や露天部に出すことができないそうです。 この点も「きり」型の評価を下げる一因となっています。 外から見る分には低い艦橋はカッコよく、私は「きり」型の低いシルエットが大好きなのですが…。 |
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「あさぎり」は練習艦となってヘリコプターの運用を中止したので、ヘリ格納庫には実習員用の講堂が設けられています。 幹部候補生などの実習員が、講義や試験を受けたり自習を行う場所で、30〜40人を収容できるということです。ちなみにこの日は防衛大2年生の海上要員が乗艦しており、この講堂を使っているようでした。 「あさぎり」が護衛艦籍に復帰した場合にすぐにヘリの運用が行えるよう、この講堂は簡単に取り外せる構造になっています。 |
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実習員講堂の前ではグッズが販売されていました。 「ひゅうが」のようにたくさんの種類はありませんでしたが、識別帽やバッジ、タオルなどが売っていました。 中でもこの識別帽はとてもデザインがいい!! 色はやや明るめのネイビーブルー、航行する「あさぎり」と飛来するヘリコプターをあしらったマークは秀逸です。佐官用(2700円)を衝動買いしました(笑) 現時点では、海自識別帽1のカッコ良さだと思っております。 |
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グッズ販売の横には、水ヨーヨー(?)のコーナーがあり、子供と隊員さんが遊んでいました。とても微笑ましい光景です。 この光景を見て、私は15〜20年前の艦艇公開を思い出しました。あの頃海自は国民に全く認知されておらず、公開に訪れる人もまばら。艦艇側も艦内の色んな場所を見せ、見学者とも濃密に接していました。 今日、乗艦待ちの長い列ができるほど見学者が訪れる一方で、艦側は見学場所が限られて規制だらけという現実に、正直、少々複雑な思いがあります…。 |
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舷門付近に掲示してあったネームプレート。 幹部と先任海曹の所在、当直要員が示されています。幹部はほとんどの人が上陸しているようです。 海自では現在、女性隊員の艦艇勤務が進んでいますが、「あさぎり」も練習艦となったことで女性隊員が勤務するようになりました。専用の居住区も設けられています。 このプレートを見ると、水雷士(二尉)、船務士(三尉)が女性であるのに加え、練習隊司令付(三佐)も女性のようです。 皆さん、頑張って! |
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下艦して、「あさぎり」を後ろから見たところ。 艦尾に大きく窓が開いた構造は、「きり」型のほか練習艦「かしま」や「あぶくま」型、訓練支援艦「くろべ」など1980年代後半から90年代初頭にかけて計画された艦にみられますが、私はなかなかスタイリッシュでカッコイイと思います。 この角度から見ると、「きり」型の低い船体に巨大な格納庫が、文字通り「乗っかった」という雰囲気ですな。 |
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「くらま」と「あさぎり」、この2隻の不思議な組み合わせは、実は「あさぎり」が2護群に合流して一緒に訓練をしていたというのが答えです。 「あさぎり」は練習艦で練習艦隊に所属していますが、「かしま」と「しまゆき」は遠洋練習航海に出ており、2隻以上で行う訓練の相手がいないため、護衛艦相手に訓練をしていたという訳です。このように練習艦は時折、護衛隊群の訓練に参加して練度を高めているそうです。 |