2009年度遠洋練習航海 出航式

2009年度遠洋練習航海部隊
・指揮官…練習艦隊司令官 河村正雄海将補  ・参加人員…710人(うち実習幹部170人)
・艦艇…練習艦「かしま」(TV3508) 練習艦「しまゆき」(TV3513) 護衛艦「ゆうぎり」(DD153)
・航海期間…4月16日〜9月8日(145日間)  ・総航程…約4万5000km
・行程…東南アジア〜インド〜中東〜地中海〜欧州(13ヶ国15都市に寄港)
・出航式典…4月16日 東京・晴海埠頭にて

東京・晴海埠頭で行われた出航式典の模様を時系列でご紹介します。
【0750】
式典まで1時間、出港までは2時間以上あるのですが、晴海埠頭には実習幹部や各艦の乗組員の家族らが既に大勢訪れていました。
実習幹部にとっては初めての長期航海、乗組員にとっても5ヶ月もの航海なので、送り出す家族にとっても遠洋航海は一大事なのでしょうね。

朝日に輝く「かしま」がとても美しかったです♪
【0805】
埠頭の入り口では、海上幕僚監部のスタッフらが続々と訪れる実習幹部や乗組員の家族の受け付け業務に追われていました。
さすがは海上自衛官、受け付けと案内をテキパキとこなしていました。どんなに人が押し寄せても順番待ちの列ができなかったのはさすがです。
【0805】
埠頭の至るところで家族と記念撮影をする実習幹部の姿が見られました。
親御さんにしてみれば、息子が晴れて「海軍士官」となり遠洋航海に出航するのですから、とても誇らしいお気持ちなのではないでしょうか。
このような光景を目にすると、自分も息子ができたら海自幹部にしようなんて野望が沸いてきます(笑)
【0815】
この頃になると、報道陣も続々と到着しました。海幕広報課のスタッフが丁寧に案内をしていました。
取材に来ているのは防衛専門紙や雑誌の記者・カメラマンのようで、一般紙や在京テレビ局の取材はないようです。もっと関心を持って欲しいものです…。

ちなみに私は報道陣に加われるはずもなく、一般客として少し離れたターミナルのベランダにて撮影です(涙)
【0830】
来賓として臨席する将官らも続々と会場入りです。
この公用車は横須賀地方総監・松岡海将が乗っている車。ダッシュボードに海将が乗っていることを示す三ツ星のプレートが掲げられています。
もちろん、埠頭にいる海上自衛官は直立不動で敬礼です。
【0850】
旗艦「かしま」から河村司令官、黒松艦長が降りてきて実習幹部の家族に挨拶をしています。
「皆様のご子息をお預かりました」「安全を第一に航海をしてきます」といった事を言っているのでしょうか?

河村司令官の家族への丁寧な敬礼に注目!司令官のお人柄が滲み出ています。
【0905】
実習幹部170人が「かしま」を降り、式典の会場に行進しながら入場してきました。
真新しい制帽と三等海尉の制服がまだ板に付いていない初々しい雰囲気がありますね。
【0910】
美しく整列した実習幹部と各艦の乗組員の代表。その前方には河村司令官と「かしま」「しまゆき」「ゆうぎり」の艦長が整列しています。
儀杖隊と音楽隊もすでに整列を済ませており、いよいよ出航式典の始まりです。
会場内は物音ひとつないピンと張り詰め荘厳な雰囲気となりました。
【0920】
北村防衛副大臣が会場に到着。栄誉礼を実施。
河村司令官、艦長、実習幹部は挙手の敬礼、各艦乗組員の曹士は姿勢を正す形の敬礼を行いました。
【0920】
栄誉礼のあと儀杖隊の威容を点検する北村副大臣。後ろに付き添っている将官は横須賀地方総監の松岡海将。

北村副大臣は長崎4区選出の衆議院議員で現在3期目。当選3回の代議士は議員としてはまだ若手ですが、防衛副大臣ともなるとこの待遇!私も代議士になって副大臣として栄誉礼を受けたいと強く思いました(笑)
【0925】
北村副大臣が祝辞。実習幹部に対して「幾多の荒波を乗り越えて逞しく成長して欲しい」、乗組員に対しては「真の優しさと厳しさで実習幹部を教育して欲しい」と激励しました。

後ろの来賓席には折木統幕長、赤星海幕長をはじめ将官の方々が顔を揃えています。
【0930】
赤星海幕長のあいさつ。
政治家である北村副大臣のような演説調ではなく、海自の制服組トップとして淡々とした口調ながらもしっかりとした要望を達していました。

赤星海幕長の制服の袖に付いている太線+線3本の「海軍大将」の階級章が眩しい!遠くからでも目が眩みそうでした…。
【0940】
河村司令官が決意表明。
「盛大な式典を開催していただきありがとうございます。安全を第一とし実りある航海にしてきます」

河村司令官は大分県出身。しかも私の実家は司令官の実家に近いということもあり、誠に勝手ながら親近感を抱いております。それだけに無事な航海を心から願っております。
【0943】
軍艦マーチが流れる中、河村司令官を先頭に幕僚、乗組員、実習幹部が敬礼をしながら来賓や家族の前を行進し、各艦に乗り込みます。
敬礼をしながら行進する姿に痺れました!海自は紛れもなく海軍であると感じた瞬間でもありました。
【0944】
いよいよ実習幹部も「かしま」に乗艦です。
実習幹部が一列になって行進し、続々とタラップを登っていく光景はかなり壮観です!
【0945】
実習幹部は乗艦後すぐさま舷梯に整列します。

引き締まった精悍な表情の実習幹部たち。整列しながら心に思い浮かんでいるのは長期航海への不安か、それとも海軍士官としての明るい未来なのでしょうか?
【0950】
続々と実習幹部が「かしま」に乗艦して整列します。約5分で艦首から艦尾まで見事なまでの登舷礼が出来上がりました。
この間にも艦長は艦橋ウイング部に立ち、出港作業の指揮を執っていました。出港はもう間近です!
【0955】
出港ラッパの音と「出港用意!」の号令のもと、岸壁から舫が解かれ、「かしま」はゆっくりと動き始めました。総日数145日、総航程4万5000キロにも及ぶ遠洋練習航海のスタートです。

岸壁では家族が自衛艦旗の小旗を振りながら見送っています。音楽隊が奏でる音楽は「軍艦マーチ」から「蛍の光」に変わりました。
【0956】
「かしま」は序々に速力を上げて晴海のターミナルビルの前を通り過ぎていきます。整列した実習幹部、艦橋にいる艦長ら乗組員、艦橋露天部にいる司令官と幕僚、皆が帽振れで別れを惜しんでいます。
前途洋々たる練習艦隊の出港風景ですが、意外にも少々もの悲しい荘厳な雰囲気です。

私もしばし撮影の手を止めて「かしま」に帽振れをして別れを惜しみました。
【0958】
「かしま」に続いて「しまゆき」も出港です。

「しまゆき」は昨年度は遠航に参加せず、国内で隊員の教育・実習に汗をかいていました。今年度2年ぶりの遠航参加となります。
この艦にも少ないながらも実習幹部が配置されますが、所帯が小さい分家族的で細やかな指導が行われるとの評判です。
【1000】
今年度の遠航に護衛艦隊代表として参加するのがこの護衛艦「ゆうぎり」です。第2護衛隊群第2護衛隊の所属で定係港は大湊です。
遠洋練習航海には必ず護衛艦隊から1隻が選抜されて随伴するのですが、何故か7年連続で「きり」型が選ばれています。遠航部隊唯一の護衛艦として、より実戦的な指導が期待されます。
【1005】
「かしま」「しまゆき」「ゆうぎり」の3隻はレインボーブリッジをくぐり抜けて東京湾へと出て行きました。
艦隊は東南アジア〜中東〜地中海〜欧州の順で13ヶ国を訪問します。帰国は9月8日です。

頑張れ!実習幹部、厳しい指導を乗り越えろ!!


実習幹部の逞しい成長と航海の安全を心からお祈りしています!