制 服

海上自衛隊は、海を活動の場とする「海軍」の特性により、制服も世界各国の海軍と共通性があるデザインとなっており、陸上・航空衛隊のものとは大きく異なっています。また陸・空では階級に関わらず制服の基本的なデザインはほぼ同じなのに対し、海自では幹部・海曹・海士それぞれで異なるデザインとなっており、この点でも諸外国海軍と同様の伝統的形式を踏襲しています。ここでは美しさと力強さを兼ね備えた幹部の制服をご紹介します。


          幹部常装第一種冬服
袖に輝く階級章、金ボタン輝くダブルのスーツ…まさに海軍の定番と言える制服がこの第一種冬服です。世界各国の海軍のほとんどがこのタイプを採用しており、海自でも1952(昭和27)年に前身である海上警備隊が採用して以来約60年間、一度も変更されることなく使用し続けられています。両袖の階級章(甲階級章)は、金線の数と太さによって海幕長から准尉までの階級を表します(写真の階級章は一等海佐)。左胸に各種徽章と防衛記念章、右胸には所属する艦艇・部隊の名札を装着します。



幹部常装第一種夏服
「愛と青春の旅立ち」や「トップガン」などの映画でお馴染みの制服。着ている人が映画俳優に見えてしまうほど美しく眩しい制服です。第一種冬服とは異なり袖口に階級章はなく、両肩にハードタイプの肩章(丙階級章)を装着します。詰襟、肩章、そして眩しいほどの白色は旧海軍の第二種軍装(夏服)との共通性を感じさせます。こちらは1958(昭和33)年の採用以来使われ続けている制服ですが、現在では夏服としては第三種の方が一般的に使用されており、この第一種は儀礼や各種行事の際に着用されています。



幹部常装第二種夏服
1996(平成8)年に制定された新しい夏服です。第一種冬服の上着を脱いだような形で、両肩にソフトタイプの肩章である乙階級章を装着します。左胸には各種徽章と防衛記念章を付けます。夏服という名称にはなっていますが、冬服と夏服の間の中間服として着用されています。着用期間が短い中間服という性格上、あまりお目にかかる機会の少ない制服でもあります。



     幹部常装第三種夏服
元々は夏服(第一種夏服)の略衣として採用された制服ですが、現在では夏服と言えばこの第三種が一般的で、夏の体験航海や艦艇公開の際によく目にする制服です。艦船ファンにとっては最も頻繁に目にし親しみを感じる制服と言えるでしょう。半袖の開襟シャツで、第一種と同様、両肩に肩章(丙階級章)を装着します。ちなみに採用当時は「略衣」という名称でしたが、1964(昭和39)年に「防暑衣」と改められ、現在の「第三種夏服」となったのは1970(昭和45)年からです。



          旧幹部常装第一種夏服
海上自衛隊のイメージとはかけ離れたグレー色の珍しい制服です。一見、陸上自衛隊の制服のようにも見えますが、実はこれ、1996年まで「第一種夏服」として使用されていた夏服です(現在の第一種は元々第二種でした)。実は夏服としては純白の現第一種よりも歴史は古く、海自の前身・海上警備隊発足時に採用されています。それだけに初期の海上自衛隊、さらには旧海軍の第三種軍装(陸戦隊用制服)の雰囲気を色濃く残す独特の雰囲気があります。他の夏服と同様に両肩に丙階級章を装着します。近年では地上部隊や航空基地の幹部が着用していたようです。いい雰囲気を持っているだけにもう見ることができないのが残念です。



作業服(幹部用)
制服ではありませんが幹部用の作業着です。艦艇上や陸上で訓練または作業の際に着用されるものです。また艦艇における戦闘時にはこの作業着の上にカポック(救命胴衣)を着用します。その意味では戦闘服とも言えます。幹部用は画像のように濃紺色ですが、曹士用は青色となっています。各種徽章や防衛記念章は装着しません。階級章はかつては左胸部分に略章を装着していましたが、最近では両肩にソフトタイプの肩章(乙階級章)を装着します。