舞鶴地方隊展示訓練2013 ~「すずなみ」出港編

7月26・27日の2日間、2年ぶりに舞鶴地方隊の展示訓練が若狭湾で実施されました。
レポートの1回目は、「すずなみ」に乗艦した26日の出港から観閲までをお伝えします。

2013年シーズンの最大の艦艇イベントとも言えるのが舞鶴地方隊の展示訓練です。2年前は前日の夜に仕事を終えてから大分を発ち、展示訓練実施日の朝に舞鶴入りするという強行日程でしたが、今回は余裕を持って前日の25日に舞鶴入りしました。

26日は朝7時過ぎに宿泊先のホテルを出発。空を見上げると雨雲なのか霧なのか一面真っ白…京都府北部の天気予報は「晴れ」なのですが、かなり微妙な空模様です。↑に写っている茶色い建物は、私が舞鶴遠征の際に常宿にしているホテル・アルスタインです。東舞鶴駅から徒歩1分という利便性に加え、館内・室内がとてもキレイで快適なホテルです。舞鶴にお越しの際はぜひご利用を!

本日の乗艦場所は舞鶴西港第3埠頭です。ここは国際貿易港なので他の貿易港同様、SOLAS条約によって厳重なフェンスが周囲を囲んでいます。午前7時40分に到着したのですが、開門は午前8時ということで、20分ほど待機です。入口の前には、私と同じようにはやる気持ちを抑えられずに埠頭に駆け付けたマニアの方々が数人いらっしゃいます。

入口にいる誘導員役の海自隊員に注目!濃紺と薄青の色彩による迷彩(洋上迷彩)が入った服装を着用しています。これは、海自が今年度から採用した新しい陸上戦闘服なのです。これまでは陸自と同じ緑&茶色の迷彩服でしたが、洋上迷彩と肩に自衛艦旗があしらわれた戦闘服はとても“海軍”らしくて素敵です

車やバイクで訪れた方々も列を作って開門を待っています。↑の青いバイクに乗っている人が、今回私を舞鶴に招いてくれたけろさんです。実は私、乗艦券の応募ハガキがすべて落選するという危機に見舞われたのですが、26日分はけろさんが「2名様乗艦券」を当てていて、私を誘ってくれたのです。しかも、ホテルから埠頭までバイクで送迎までしてくれました。感謝・感謝です…。

けろさんとは3年前の伊勢湾フェスタで、広い四日市港で道に迷っていた際に出会い、灼熱の埠頭を30分以上歩きながらも無事に乗艦場所に導いてくれました。一昨年の大阪湾では、私をバイクに乗せて阪神基地隊から天保山埠頭まで爆走し、「いせ」の入港に間に合うことができました。私がピンチの時に救いの手を差し伸べてくれる「ゾフィー」のような人なのです(笑)

この日、私を若狭湾まで連れて行ってくれるのはDD「すずなみ」です。そう、すーちゃんです(笑)「なみ」型DD全5隻の中で私と最も相性がいい艦で、母港が遠方にも関わらず何度も撮影の機会に恵まれてきた艦です。特に去年は、島根県浜田港に遠征して乗艦・撮影した僅か3週間後に舞鶴で再会するなど、恐ろしいほどの相性の良さを発揮しました。
それからちょうど1年後の今日
、展示訓練で乗艦することになるとはまさに運命的です。すーちゃん、今日はよろしく!

「舞鶴のお嬢様」「舞鶴のべっぴんさん」と私が勝手に名付けていた「すずなみ」ですが、おととしの夏に大湊に転籍。今回の展示訓練への参加はまさに“里帰り”と言えますね。

開門後、手荷物検査を済ませて乗艦開始を待ちます。待っていると案内役の隊員さんが、「5分程度乗艦開始が遅れま~す!」とアナウンスしはじめたので「何だろう?」と思っていたら、「すずなみ」の乗組員がゾロゾロと上甲板に出てきて整列するではありませんか。そして整列完了後に艦内スピーカーから「行進曲・軍艦」(通称・軍艦マーチ)が流れてきました。

乗艦待ちの人々は何が始まるのかと驚いた様子でしたが、実はこれ、他部隊への異動者を見送るセレモニーなのです。異動者は乗組員が整列する甲板を艦尾から艦首方向に敬礼をしながら歩いて感謝の意を伝え、岸壁に降り立ったのち「帽振れ」で別れを告げるというものです。もちろん、帝国海軍から伝わる伝統の式典です。ちなみにこの日は2人の海曹が異動したようです。

セレモニー終了後、午前8時20分過ぎに「すずなみ」に乗艦。乗艦後、さっそく乗組員から情報収集を実施。2年前と同様、今回も観閲と大半の訓練展示は左舷側で行われることが判明したので、ヘリ甲板の左舷後方に陣取りました。

陣地を確保したものの、出港までまだ1時間以上もあります。しかも、舞鶴西港は民間港で「すずなみ」以外に艦艇はおらず、停泊中の艦や艦の出入港を撮りながら時間を潰すということは不可能です。とはいえ、あまりにヒマなのでクレーンとか倉庫とか全く意味のない物を大量に撮影してしまいました…(苦笑)そうこうしているうちに午前9時前になり、舞鶴基地から曳船YTが2隻やって来ました。蜘蛛の巣にかかった獲物の如く、退屈していたマニアたちの格好の撮影標的になっていました(笑)

曳船YTから「すずなみ」に曳索が渡され、ボラードに固定されました。分隊士や班長の指示を受けてキビキビと作業にあたる海士くんたちの姿は、いつ見ても気持ちがいいものです♪

大半の艦では、艦首や後部ヘリ甲板に撮影場所を確保すると、安全確保のため、出港前の舫作業の際に安全な場所までいったん退避しなければなりません。去年の観艦式の際には、作業終了後に場所を巡って若干のトラブルがありましたが、この日は皆さんきちんと作業前の場所に戻ったためノートラブルでした。マナーのいい乗艦者ばかりです。というか、基本的に艦船マニアはマナーがいいと私は考えています。聞いた話ですが、空自の航空祭や陸自の駐屯地祭では、場所取りが壮絶で雰囲気も殺伐としているそうです。

午前9時30分、「すずなみ」は舞鶴西港を離れ、若狭湾の展示訓練実施海域に向かいます。心配された空模様ですが、美しい青空が広がり一安心といったところ。ただ、天気がいい代わりに気温もうなぎ昇りで、日よけがない甲板上は灼熱地獄の様相を呈しています。

作家の吉村昭の小説に「高熱隧道」という作品があります。黒部川流域に発電所を作るために、火山の高熱層の中で暑さ(熱さ)に苦しみながらトンネルを掘る内容ですが、この日の「すずなみ」艦上はまさに“高熱甲板”であり、ここでの撮影は過酷な“高熱撮影”となりそうです。熱中症に注意しなければ…。
とはいえ、灼熱の甲板上で日焼けしながらの撮影は夏のイベントの醍醐味でもあるので、“高熱撮影”は望むところです。

出港から25分が経った頃、右舷側から巨大な艦影が現れました。舞鶴基地の北吸桟橋を出港したイージス艦「あしがら」です。
「あしがら」の出現が艦内アナウンスで告げられると、乗艦者の方々は右舷側に大集合、見る者を圧倒する見事なまでの威容に驚嘆の声が挙がっていました。

“高熱撮影”の第一幕が切って落とされた訳ですが、見事なまでのド逆光です…(涙) これはこれでいい雰囲気なのですが…。
この時の「あしがら」ですが、狭水道を航行するための航海保安中であり、急制動に備えて艦首の錨が少し下げられている点にご注目。同時に艦首と艦尾には見張り員が配置され、最大の注意を払って水道を航行しています。私が乗る「すずなみ」も航海保安部署が発令されており、同様の措置がとられています。

「あしがら」は右に転舵し、我が「すずなみ」に後続します。おぉ、「あしがら」が後続するのかぁ!ラッキーだ!!
望遠レンズを通して「あしがら」を観察すると、艦橋の露天甲板上に黄色い双眼鏡ストラップを付けた将官がいます。また、マストには三ツ星の海将旗が掲げられています。今回は「あしがら」が展示訓練部隊の旗艦のようです。私はてっきり舞鶴籍の「みょうこう」が旗艦と思っていただけに、意外な感じを受けました。

展示訓練は地方隊(地方総監部)が主催するため、かつてはどんなに大型艦や新鋭艦が参加しようとも、観閲官である総監はその地方隊(現護衛艦隊地域部隊)所属の旧型艦に座乗していました。現在においても、他の母港の艦に観閲官が乗ることは非常に珍しい現象と言えます。何か事情があるのでしょう。

航行していると、たびたび現れるのがプレジャーボートです。このボートは我が「すずなみ」と「あしがら」の間をすり抜けて行きました。「あしがら」とはかなり距離があるのでそれほど危険な状況ではないのですが、「すずなみ」の艦尾からかなり近い場所を航行していて、必要に迫られて進路を取ったのではなく、護衛艦の航行風景を珍しがって見に来たのは明白です。

このボートなんてまだマシな方で、中には艦のすぐ傍をまとわり付くように並走するボートもありました。これで事故を起こそうものならすべての責任を海自が負わされ、新聞・テレビは非難ごうごうです。まったく困ったものです。
「対艦ミサイルを使って撃沈すべき」と艦長に進言しに艦橋に向かおうとさえ思いました(苦笑)

「すずなみ」は水道を抜けて一気に増速します。と同時に、後続していた「あしがら」との距離が開きはじめ、ついには「あしがら」は影も形もなくなってしまいました。おいおい…(涙)
「あしがら」は観閲艦ですので、観閲の際に私が乗る「すずなみ」や「まきなみ」「みょうこう」と反航しなければならないため、まったく別の進路を航行していると思われます。もっとたくさん「あしがら」を撮影したかったのですが…。

「あしがら」以外の後続艦はないようです。後続艦がないということは、撮影する物が何もないということです。甲板上がどんなに灼熱地獄でも、撮影に夢中になっていれば暑さなんて感じません。しかし、撮影する物が何もない今、甲板上は海自主催の暑さを耐えるガマン大会の会場と化しました。

じっとしていても暑いだけなので、艦首に足を運んでみました。前方には「みょうこう」「すずなみ」の2隻が航行しています。
「みょうこう」は舞鶴の艦、「まきなみ」と「すずなみ」は大湊の艦なので、このシーンだけを見れば第3護衛隊群の航行風景です。実際、先頭を航行する「みょうこう」には3護群司令の中畑将補が座乗し、マストに二つ星の海将補旗を揚げています。
3護群は8隻中6隻を舞鶴と大湊の艦で占めており、日本海と北方を担当する護衛隊群です。日ごろもこのような感じで日本海で訓練に明け暮れているのでしょうね。頑張れ!3護群!!

気になるのは視界があまり良くないこと。すぐ前を航行している両艦が霞んでしまっています。何じゃ、これ?

あまりにヒマなので、島影が見えると夢中で撮影してしまいました(笑) この特徴的な形の島は冠島で、全周約10kmの無人島です。オオミズナギドリの繁殖地として、島全体が天然記念物に指定されていて、一般人の立ち入りは禁止されています。

気になっていた視界ですが、若狭湾を進むのに合わせてどんどん悪化していきます。冠島もご覧のように霞んでいます。
霧ではなくモヤのような物が、海面近くから上空までがかかっています。晴れているのに視界が効かないという何とも不思議な状況、私の地元・九州ではあまり見ない光景です。この現象、舞鶴ではよくある気象状況らしく、どうやら暖かい空気と寒気が混ざり合ったのが原因でモヤが発生したようです。

退屈さと暑さで気絶しそうになっていた頃、北西方向にうっすらと艦影が見えるではありませんか。時刻は午前11時40分。乗艦者はまだ誰も気づいていませんが、帝国海軍水雷戦隊の見張り員並みの視力を持つ私には分かります。「合流部隊見ユ」

艦影は次第に大きく、そして輪郭もはっきりしてきます。甲板上の乗艦者も殆どがこの艦影に気づき、先ほどまでのぐったり感が嘘のように生き生きとしてきました。合流してきた艦の出現によって、甲板上は俄かに活気づいてきました。
合流部隊は2年前の前回と同様「ひうち」が先頭を航行、「のとじま」「つのしま」「ましゅう」が後続します。巨大な補給艦と小型艦艇の隊列、車に例えると自転車とダンプカーが等間隔で走っているようなものです。「ましゅう」は操艦がさぞや大変でしょう。

「ひうち」以下4艦は「すずなみ」の通過を待って、「すずなみ」の背後に回りこみます。そして三々五々隊列を整えます。
隊列を整えるシーンは、小型艦とはいえ迫力満点の名場面です。しかし、その名場面を妨げるかのように海上にモヤがかかっています…(涙) このモヤ、何とかならんのかいな…。

この4隻、今はいずれも母港が舞鶴ですが、生粋の“舞鶴人”は「ましゅう」のみで、かつては「ひうち」は佐伯が、「のとじま」「つのしま」は横須賀が母港でした。以前ほどではなくなりましたが、舞鶴所属艦は他基地からの転籍艦が多いのが特徴です。まだ噂の段階ではありますが、近い将来、あの超有名艦が転籍すると囁かれています。

舞鶴地方隊展示訓練の名物とさえ言えるのが、潜望鏡深度での潜水艦の潜航です。今年も「すずなみ」の左舷前方に潜望鏡が現れました。この潜水艦ですが、2年前の前回は「そうりゅう」型2番艦「うんりゅう」でした。今年やって来た潜水艦は何でしょう?

「そうりゅう」型の潜望鏡は2種類あって、ひとつは従来と同じ光学式潜望鏡、もうひとつは新型装備品である非貫通型潜望鏡です。これは、カメラで撮影した画像を光ケーブルで艦内に伝送し、デジタル処理してディスプレーに表示するもので、潜水艦の“新たな目”として期待されています。前回はアトラクションと知らず、潜望鏡を発見した際に艦長に対潜戦闘用意を進言しそうになった私ですが、今回は慌てず騒がず落ち着いて撮影にあたりました(笑)

午前11時55分、「登舷礼、登り方用意」「登れ!」の号令のもと、「すずなみ」の乗組員が左舷側に等間隔で整列しました。間もなく反航する「あしがら」に座乗した舞鶴地方総監に対して登舷礼を実施するのです。登舷礼に参加しているのは曹士の乗組員で、なかでも若さが弾ける海士が大半を占めています。やはり、セーラー服姿の海士くんたちが整列すると“海軍的な雰囲気”が高まりますね

海士くんたちの左袖を見ると、階級章の上に桜を模した丸い徽章が付いている人と付いていない人がいます。徽章が付いている人は、同じ海士でも一般海曹候補生として入隊した隊員です。
彼らは非任期制で、昇任試験と部隊勤務の成績が良好ならば、入隊から最短2年9か月で三曹に昇任します。

正午ちょうど、展示訓練の第一幕である舞鶴地方総監による観閲が始まりました。2年前の前回とは異なり、今回は露払い役の先導艦はなく、いきなり観閲艦「あしがら」の登場です。

パア~♪パア~♪ハッパカパッパッパ~♪
「ずずなみ」から高らかに敬礼ラッパが吹奏され、幹部は挙手の敬礼、登舷礼に立つ曹士は姿勢を正す敬礼で観閲官に敬意を表します。そして、少し間をおいて「あしがら」から答礼ラッパが吹奏されます。最後に双方が「かかれ」のラッパを吹奏し、敬礼は終わります。とても“海軍的”な心躍る光景です♪2年前の前回は同型艦(1番艦)の「あたご」が観閲艦を務めました。「あしがら」にとっては、2009年の観艦式で受閲艦艇部隊旗艦を務めて以来の晴れ姿になります。

艦橋の露天部には舞鶴地方総監の井上海将が立っており、各艦からの敬礼を受けます。井上海将は、ちょうど1年前の7月26日に舞鶴地方総監に着任しています。井上海将にとっては、この展示訓練は自身の総監着任1周年を祝う式典に見えたかもしれません。

同じく露天部には、3台のテレビカメラと新聞・雑誌のカメラマンが陣取ってゆうゆうと撮影を行っています。
いい場所で撮影してるなぁ~(羨望) 新聞はベタ記事、テレビもニュース番組の尺調程度にしか使わないくせに…。一方、私は個人のHPとはいえ詳細かつ正確な記事を掲載しております。私も艦橋露天部で取材・撮影させるべきです!(もちろん、冗談ですよ…笑)

まるでデジャヴーを見ているかのように、2年前とそっくりな光景が眼の前で繰り広げられます。変わったのは艦番号が「177」から「178」に変わったくらいです。ただ、井上海将をはじめ、乗艦している方々はまったく異なるのですが…。
実は、「あたご」と「あしがら」は後ろから見ると大きな識別点があります。「あしがら」には艦尾左舷側に曳航ソナーを出すための四角い窓のような物がありますが、「あたご」にはこれがありません。当HPのギャラリーでぜひ確認してみてください。

「あしがら」ですが、「あたご」型の2番艦として2008年3月に就役しました。現在の所属は第2護衛隊群第2護衛隊で、母港は佐世保です。先にも述べましたが、舞鶴地方隊の展示訓練で佐世保の艦が観閲艦(旗艦)を務めるのは極めて異例です。

続いてやって来たのは「きりさめ」です。舞鶴からではなく、福井県敦賀港から出港して来ました。
「むらさめ」型DDの4番艦で、前を航行する「あしがら」同様、佐世保の艦です。1999年3月の就役以来、佐世保を母港としている“生粋の佐世保人”ですが、同時期に就役し佐世保に配備された「ゆうだち」は、今年3月に大湊に転籍してしまいました。長らくコンビを組んだ双子の姉が遠くに去ってしまい、私には「きりさめ」が心なしか淋しそうにしている印象を受けます。

帝国海軍から引き継いだ艦名が多い海自艦艇ですが、「きりさめ」という艦名は、この艦が初めての採用です。初採用の他の艦名には「やまぎり」や「ゆうべつ」等があります。

「あしがら」「きりさめ」の2隻が通り過ぎて行きました。2隻の航行シーンを見ると、何だか佐世保地方隊の展示訓練みたいです。そういえば、佐世保地方隊は2009年以降展示訓練を実施していません。そろそろ、来年あたりに実施して欲しいものです。

展示訓練は広報・募集業務ではありますが、艦の乗組員にとっては操艦技術の向上など訓練という一面もあるので、佐世保の艦は他地方隊の展示訓練に参加することで、練度の向上と経験値のアップを図っているのかもしれません。
2年前の前回は、観閲部隊は「はまゆき」「あたご」「あまぎり」の3隻でした。対して今回は2隻…私的には護衛艦に再種別変更された「あさぎり」あたりが参加して欲しかったです。

観閲終了後、受閲部隊の各艦は180度転針し、観閲部隊の「あしがら」と「きりさめ」に続きます。まずは、先頭を航行する受閲部隊旗艦の「みょうこう」が転舵します。1996年の就役以来、舞鶴市民から絶大な信頼を寄せられている「みょうこう」ですが、2009年には弾道ミサイルへの迎撃能力を付与されて、まさに“日本海の盾”と言うべき存在となっています。

去年の今頃は「しらね」と共にリムパックに参加しており、夏の広報行事に参加できませんでしたが、今年は東北地方を中心に勢力的に広報行事に参加しています。「こんごう」型4隻の中で、これまで最も撮影機会に恵まれなかった艦だけに、「みょうこう」の雄姿を撮影することが今回の舞鶴遠征の最大の目的です。さて、その結果はいかに…。

「みょうこう」に続いて「まきなみ」も転舵します。北方防衛力強化の一環としておととし佐世保から大湊に転籍しましたが、今ではすっかり“大湊の顔的な存在の艦”になりました。

就役間もない2007年に、私の地元・大分での体験航海で乗艦した思い出深い艦だけに、遠く大湊に嫁いでしまうのはとても寂しかったのですが、「すずなみ」同様、私とは相性がいい艦で、大湊に移ったのちも割と頻繁に撮影の機会に恵まれています。「すずなみ」と共に第3護衛隊群第3護衛隊に所属しており、3護群内では“3群の「なみ」姉妹”と呼ばれています。少し萌え系な表現をすれば、“大湊さんちのまきちゃんとすーちゃん姉妹”と言ったところでしょうか(笑)

「まきなみ」に続いて我が「すずなみ」も転舵します。目の前では、前を航行する「あしがら」「きりさめ」と、後続する「ひうち」など4隻が同時に見える艦隊絵巻が繰り広げられています。ああ、視界が効かないのがすごく残念…。

全ての艦が変針を終えると、訓練展示が行われます。2年前の前回はミサイル艇が縦横無尽に爆走し、対潜ヘリが手が届くような至近距離でローパスしました。そのあまりの迫力に、私は度肝を抜かれると同時に心を奪われました。今回も同じように心躍る展示が次々と繰り出されることでしょう。船体を傾けながら180度変針している「すずなみ」艦上で、私は期待に胸を膨らませるのでした

対潜ヘリと飛行艇が空を駆け、ミサイル艇が海上を爆走する…でも、どこか?の訓練展示編に続く