DDH「いずも」360°ビュークルーズ

7月23日、鹿児島湾に停泊する「いずも」を船上から眺めるユニークな企画が実施されました。

私の目の前には雄大な山容を誇る桜島が横たわっています。梅雨も明けて、いよいよ夏本番を迎えようとしている7月23日、私は夏の遠征第4弾として鹿児島の地に足を踏み入れています。本部長を海自一佐が務めているためか、鹿児島地本は毎年この時期に重量級のイベントを開催してくれるのですが、今年は重量級であるだけでなく、趣向を凝らした珍しい企画となっています。

そのイベントは、題して「『いずも』360°ビュークルーズ」。鹿児島湾内に停泊しているDDH「いずも」を、湾内クルーズしながら眺めようというとてもユニークな企画です。一週間前にも呉で撮影したように、私は去年4月の就役以来度々「いずも」を撮影するチャンスに恵まれていますが、今回は湾内に停泊する姿を360度すべての角度から撮影できるのですから、これを逃す訳にはいきません。

「いずも」は鹿児島港北埠頭の遥か沖合いに停泊しています。恐らく、艦があまりにも大き過ぎて北埠頭に接岸できないのだと思われますが、それを逆手にとってビュークルーズを企画してしまうあたりに鹿児島地本の広報にかける意気込みを感じます。

さて、今回鹿児島に初寄港した「いずも」ですが、一週間前に呉にいたことからお分かりのように、母港・横須賀を離れてかなり長期間の訓練航海に出ているようです。呉を出港後に四国沖や九州西方海域で訓練を実施していたようで、昨日(22日)には米海兵隊の新型輸送機・オスプレイによる発着艦訓練が実施され、その模様は報道陣にも公開されています。九州西方海域における日米が連携してのオスプレイ発着艦訓練は、野望むき出しの“中華な大国”に対する強烈な警告となったのは間違いないでしょう。

北埠頭には陸自と空自の車両・装備品が展示されています。鹿児島地本主催の「自衛隊みなと祭り」が開催されており、「いずも」ビュークルーズはこの祭りの特別企画という位置づけです。

陸自装備品は南九州を警備区とする第8師団隷下の第12普通科連隊(国分)や第8戦車大隊(玖珠)、第8施設大隊(川内)から派遣されています。実は私の高校時代の同級生が第8師団隷下の普通科連隊で連隊長を務めており、これら第8師団の装備品を眺めながら国防の最前線に立つ同級生の奮闘を祈りました
この歳になって思うのですが、民間企業で売上げやノルマを達成するために汲々とするよりも、例え辛いことが多くとも、自衛隊で国を守り・平和を守る仕事に携わる方が苦労のし甲斐がある人生なのではないかと。若者たちよ、同じ苦労をするなら国防の道を歩め!

北埠頭における「自衛隊みなと祭り」は、例年ならばこのように艦艇が埠頭に接岸して一般公開が実施されます。
この画像は、DD「はるさめ」「さみだれ」が来航した昨年の「みなと祭り」の様子です。10年前ならいざ知らず、任務の増加と艦艇不足の昨今において艦隊の中核を担うDDが2隻も来航するなんてまさに重量級、鹿児島地本の面目躍如といったところでしょうか。

この時、「はるさめ」は2ヶ月前にソマリア沖・アデン湾での海賊対処行動(20次隊)から戻ったばかり、一方「さみだれ」は1次隊として初めてアデン湾に派遣された艦です。初めて派遣された艦と直近に帰国した艦というなかなかに面白い組み合わせです。考えてみると、母港も所属護衛隊群も異なるこの2隻が一緒に行動していること自体が結構珍しいのではないでしょうか。

実は去年、「みなと祭り」の会場で素敵な出会いがありました。
私(左)の隣に立つのは、鹿児島地方協力本部長(当時)・深谷一佐です。深谷一佐は防大卒ではなく、私と同じ大学・学部の出身、つまり“大学の先輩”なのです。会場で「実は私、本部長と同じ大学の…」と話しかけたところ、「HARUNAさんですね。いつかお会いできると思っていました」と言うではありませんか!

何と、本部長は当HPの閲覧者であり、レポートやコラムの内容から私が大学の後輩であることを知っていたとのこと。そして、いつかイベントで私が挨拶をしてくるだろうと思っていたということです。深谷一佐は任官後、潜水艦幹部としての道を歩み、潜水艦艦長・海幕勤務・米軍連絡官・潜水隊司令等を経て本部長に就任。防大卒の幹部をも凌ぐ経歴は、後輩としてとても誇らしく思います

深谷一佐は今年3月に舞鶴教育隊司令にご栄転になられたので、今年「みなと祭り」の会場でそのお姿を見ることはできません。
会場で一年前を思い起こしている私の横を、鹿児島港と桜島を結ぶ桜島フェリーが通り過ぎて行きます。鹿児島市船舶局が運営している公営フェリーで、鹿児島港と桜島を約15分で結んでいます。桜島を訪れる観光客には無くてはならない足であると同時に、国道224号の海上区間という、もうひとつの顔を持っています。

そして、今回の遠征では私もこのフェリーのお世話になります。というのも、「いずも」ビュークルーズはこの桜島フェリーの1隻を貸し切って行われるのです。最新鋭DDHの周囲をカラフルかつメルヘンチックなデザインの桜島フェリーが周回する…想像すると結構笑える組み合わせです。鹿児島地本の企画力の凄さに脱帽です

実は、「いずも」ビュークルーズは誰でも参加できる訳ではありません。事前にハガキかメールで申し込み、抽選に当選した人が参加できるのですが、かなりの数のキャンセルが出ることを見込んで当日券も用意されています。私はメール申込で当選していたので、当選者受付で名前を伝えて、乗船料800円を支払います。さすがにフェリー1隻を貸し切るだけに参加無料とはいかないようです。

当日券は乗船者数が2400人になるまで出されるようですが、「いずも」の注目度の高さを裏付けるかのように、受付開始1時間以上前から長蛇の列ができていました。列に並んでいる際、近くに帽子やTシャツなど「いずも」グッズで身を固めたマニアさんがいました。クルーズを前にとても嬉しそうですが、こういうマニアって、恐らく来年の今頃は全身を「かが」グッズで固めていると思われます。

クルーズ船(=貸し切りフェリー)は午後1時30分に出港します。午後1時10分過ぎに乗船し、右舷側後方に陣取って出港を待っていたら、ギュォォォォォォーンというジェットエンジン音を轟かせながら航空機が頭上を通過しました。空自のT-4練習機です。
「ドルフィン」の愛称で親しまれているこの機体は、プロペラ機による初等訓練を終えたパイロットがジェット機による中等訓練を受けるための亜音速ジェット機です。連絡機としても使用されるため、全国の航空基地に200機余りが配備されています。

私は空自の知識が全くないので、機体を見ただけでは何処の部隊に所属している機体なのかは分かりません。垂直尾翼にカエルをあしらったマーク(「無事に基地に帰る」の意味が込められている)が入っているので、どこぞの練習航空隊の所属機のようです。

午後1時30分、クルーズ船が出港します。出港してすぐに、右舷側に「自衛隊みなと祭り」の会場である北埠頭が見えてきました。陸自・空自の装備品のほか、グッズ売り場や制服試着コーナーなどが出展しているほか、ステージでは佐世保音楽隊の演奏近隣部隊による和太鼓パフォーマンスといった催しも行われています。

背後に建つ三角屋根の建物は北埠頭旅客ターミナルで、奄美大島や沖永良部島へのフェリーの乗船券発売所や待合室があります。なかなか洒落た可愛らしいデザインのターミナルですねぇ。
画像右端に白い灯台がありますが、その周囲は展望台になっています。このレポの最初の3枚の画像は、この展望台から撮影したものです。桜島や航行する桜島フェリーをいい感じで撮影できるポイントです。特に鹿児島に戻って来る桜島フェリーは大迫力です。

一方、フェリーからも北埠頭がいい感じで撮影できます。
今回のイベントでは「いずも」は沖留めですが、例年のように艦艇が接岸している場合は、ご覧のような素敵な艦の泊まり絵を撮影することができます。北埠頭に艦が接岸している際には、例え桜島観光をする気がなくても、桜島フェリーをご利用することをお勧めします。運賃は片道160円、日中は15分間隔で運航されています。
いい絵が撮れるものの、意外にフェリーが速いために撮影チャンスは短く、集中力とテクニックを要求される撮影でもあります。

↑は4枚目と同様、昨年の「みなと祭り」における「はるさめ」「さみだれ」です。入港直後の姿で、「さみだれ」ではまだ三次元対空レーダーのアンテナが回転しています。両艦とも甲板上では乗組員が電灯艦飾用の電灯を架設する作業に追われています。

北埠頭を通り過ぎると右舷側にDDH「いずも」が現れました。通常の桜島フェリーなら桜島へ一直線に向かうのですが、360°ビューで貸し切られた我がフェリーは、これから通常の航路を外れて「いずも」の方へと向かいます。この艦はその巨体故に、岸壁に接岸しているよりも海上に停泊している方が絵になります
左舷後方に内火艇乗船用の梯子が降ろされているのにご注目。岸壁には原則として右舷側で接岸する「いずも」型DDHですが(一応、左舷側にも係留用設備あり)、沖留めにおいてはその制約はなく、左舷側から乗組員の乗降が行われています。

晴天ではあるものの、残念ながら鹿児島湾の上空にはモヤがかかっており、夏の青空を背景に停泊する姿を撮影することは叶わないようです。せめて風があればいいのですが、全くの無風です。

クルーズ船(=貸し切りフェリー)は、「いずも」を左舷側に見る形で周回します。左舷前方から見た「いずも」ですが、全通甲板と右舷側にアイランド(艦橋構造物)を有する所謂“空母艦型”の特徴的な姿がよく分かります。あっ、空母艦型だからといって「いずも」は空母ではありませんよ!ここは声を大にして言っておきます。「いずも」はあくまでも護衛艦、正確に言えば多目的護衛艦です。

艦首から錨が海中に投下されています。一般には錨の重さで艦が固定されていると思いがちですが、実際は錨が海底に喰い込む力(把駐力)と錨鎖と海底の抵抗力によって固定されています。錨鎖が海底に横たわっている距離が長いほど総把駐力が上がるため、例えば台風避泊のような場合は、長めに錨鎖を投入することで走錨を防ぐ強力な総把駐力を得ることができます。

「いずも」に近づくと、あまりの大きさに全身を撮影することができなくなりました。そこで艦橋構造物をクローズアップして撮影します。
艦橋上部壁面に設置されているのは対空レーダー・OPS-50のアンテナで、艦橋後部の航空管制室上部と合わせて4ヶ所設置されています。このレーダーは目標の同時追尾能力に優れており、対空捜索だけでなく航空管制にも使用されています。

艦橋前部には自衛艦として初搭載となる近接防御SAM・シーRAM発射機です。シーRAMはCIWSのバルカン機銃部分をミサイル発射機に置き換えたもので、400mという最短射程により、対艦巡航ミサイル(ASCM)が眼前にまで迫っても素早く迎撃することが可能です。CIWSでは破壊できない可能性があるASCMの弾頭部分も確実に破壊することができ、自艦防御能力が大きく向上しています。

「いずも」と桜島を絡めた構図で撮影を試みたのですが、「いずも」が停泊している位置の関係で、桜島全体を構図の中に入れることができませんでした。「いずも」がもう少し湾の南側に停泊していたら桜島を背景にして停泊する姿が撮れたのかもしれません。

帝国海軍マニアでもある私にとって、「鹿児島湾」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは真珠湾攻撃に向けた訓練が行われた場所ということです。これは鹿児島湾の地形が真珠湾に似ていたためで、総飛行隊長・淵田中佐が率いる海鷲たちが、ここ鹿児島湾で急降下爆撃や雷撃といった襲撃訓練を繰り返しました。この訓練の様子は映画「トラ・トラ・トラ」でも描かれており、訓練の目的を知らない鹿児島市民は人気取りのためのデモ飛行と勘違いし、「海軍さんは最近たるんでいる…」と苦言を呈するシーンが笑えます。

左舷後方からの眺めです。広大な飛行甲板が船体を覆っている特殊な艦容がよく分かるアングルです。飛行甲板は長さ245m幅38mで、前タイプの「ひゅうが」型よりも長さ50m、幅5m広くなっています。そのためヘリのロータと艦橋構造物・キャットウォークとの間に十分な間隔がとれ、安全性と利便性が大きく向上しています。

「いずも」の左舷後方の乗艦用梯子に内火艇が接舷しようとしています。実は、この360°ビューと同時に艦内見学ツアーも実施されており、その見学者を乗せた内火艇のようです。見学ツアーも事前抽選制で、私も応募しましたがこちらは見事にハズれています。
カメラの望遠レンズで内火艇に乗っている参加者を眺めると、中・高校生や大学生と思しき若者がたくさんいます。どうやら見学ツアーは、26歳以下の人にしか当たらない抽選だったようです(笑)

「いずも」の真後ろに回り込みました。「いずも」の艦尾には「ひゅうが」型にはないキャットウォークが設置されています。左舷側・右舷側両方にスポンソンがありますが、左舷側のスポンソン上にあるのはシーRAM、右舷側にあるのは20ミリCIWSです。

左舷側に接舷した内火艇からは、艦内ツアー参加者が梯子を登って艦内に入っています。一見穏やかに見える海でも停止した内火艇は結構揺れるため、タイミングを誤ると梯子に乗り移れず海に落ちる恐れがあるので注意が必要です。実際、私は3年前に交通船から潜水艦に乗り移る際に揺れにより梯子を踏み外し、海に転落する寸前にまで至りました。皆さんもご注意願います!
反対側の右舷側ではエレベーターが降ろされ、黄色い作業用車両が留置されています。何らかの作業を行っているのでしょうか?

右舷側後方からの眺めです。左舷側から見ると「ひゅうが」型にそっくりの「いずも」ですが、右舷側とりわけ後方からの眺めは、側面に設けられた後部エレベーターにより独特な艦容を誇ります。艦尾にも内火艇が接舷していますが、内火艇へは5~6m上にあるハッチから縄梯子が降ろされています。恐らく縄梯子は揺れるでしょうから、往来ではかなりのスリルを味わうことになりそうです。

去年の観艦式で「いずも」を見て「空母!空母!」と騒ぐ乗艦者にムカつきまくった私ですが、この船上においては大きさに驚く声は挙がるものの「空母だ!」と騒ぐ人はいません。さすが、鹿児島の皆様は「いずも」の本質をよくお分かりになっているようです。それとも、当HPで展開した「『いずも』は空母じゃないキャンペーン」の効果が表れているのでしょうか。いずれにしても、いい傾向です。

右舷側から見た艦橋構造物です。「ひゅうが」型とは異なり、艦橋構造物の側面にキャットウォークが設けられています。また、第1煙突と第2煙突の間に他艦に燃料を補給するためのステーションが設けられており、蛇管が格納されているのが見えます。2番艦「かが」は、「いずも」では開放式になっている補給ステーションをシールドで覆う設計変更が施されており、大きな識別点となります。

少し見にくいのですが、マストに揚がっている指揮官旗は二つ星の海将補旗ではなく司令旗です。いま「いずも」に座乗している指揮官は第1護衛隊司令で、オペレーションの指揮を執っているようです。ちなみに現在の第1護衛隊司令は渡邊一佐で、4年前の5月に水俣港で退役近いDD「さわゆき」の雄姿を撮影した時の艦長です。レポートで予想した通り、護衛隊司令として再び海に戻って来ました。

クルーズ船は右舷側前方に出ました。「いずも」はどの角度から見ても素敵なのですが、私はこの右舷前方からの眺めが最も精悍に思えて大好きです♪ 「いずも」は前タイプの「ひゅうが」型よりも船体長が長くなったことにより、艦型と大きさのバランスがとれて精悍さがより一層増したように感じます。

艦首水面下にはソナーが搭載されていますが、「ひゅうが」型とは異なり対潜戦闘指揮システムとアスロック・短魚雷といった対潜装備を持たない「いずも」は、ソナーも魚雷・機雷探知に機能を絞ったOQQ-23に変更されています(「ひゅうが」型はOQQ-21)。
DDHが対潜攻撃が可能な型と不可能な型の2種類となったことで、護衛隊群の対潜戦術は所属DDHによって異なることになります。今後、1・4群と2・3群の対潜戦術の違いに注目したいと思います。

クルーズ船は徐々に「いずも」から遠ざかり、桜島港へ向かいます。
こうして見ると、艦上には各種通信用のアンテナ、とりわけレドームが多数設置されているのが分かります。これは本艦が部隊を指揮する指揮中枢艦として充実した通信設備を有していることの顕れといえます。空母のような艦型と巨大な船体に注目が集まりがちですが、実はこの充実した通信設備こそが「いずも」型DDHの最大の特徴なのです。見学の際には注目してください!

優れた指揮通信能力、航空運用能力、大規模輸送力を兼ね備えた本艦は、現在自衛隊が最重要課題としている水陸両用作戦においても大きな役割を果たすと考えられます。従来とは異なる新たな任務に対応可能な多機能性とポテンシャルが「いずも」型の本質であり、艦型のみを見て「空母!」と騒ぐことはまさに愚の骨頂です。

クルーズ船(=貸し切りフェリー)は桜島港に到着、ここから定期便に乗って鹿児島港へ戻ります(360°ビュー参加者は運賃無料)。
桜島港に接岸するフェリーの甲板上からは、鹿児島市街地のビル群を背景にして停泊する「いずも」の姿が見えます。
逆光とモヤで写りがいまいち不鮮明なのが残念ですが、ビル群を背景に佇む「いずも」はなかなかに素敵な雰囲気であり、その大きさと艦型は海自に新時代が到来したことを実感させます。

確かに、こうして見ると「空母」と言いたくなる佇まいですが、一部マニアが期待するF-35の運用は全くの絵空事と言わざるを得ません。艦を「空母」と定義するのは空母としての機能を果たしうる設備が作り込まれているかどうかで、戦闘機の運用を想定した艤装を有していない「いずも」は対潜護衛艦以外の何物でもありません。

鹿児島港行きのフェリーは、当然と言えば当然ですが、「いずも」に接近することなく真っ直ぐに鹿児島港へ向かいます
ちょうど「いずも」の正面に辺りに差し掛かった時に、桜島行きのフェリーと擦れ違いました。観光客を多く乗せ遊覧船的な性格を帯びているためか、桜島フェリーの船体はかなりメルヘンチックなデザインとなっています。しかも各船には「チェリークイーン」や「プリンセスマリン」など、これまたメルヘンな愛称が付けられています。

最新鋭DDHとメルヘンチックな桜島フェリーという珍しいツーショットですが、両者の雰囲気のあまりの落差が笑えます(笑) 桜島フェリーには現在6隻が就役しており、概ね総トン数1000~1300t、旅客定員650~730人、乗用車積載台数64台という性能に揃えられています。また全ての船名が「○○桜島丸」に統一されています。

鹿児島港に戻って来ました。北埠頭には鹿児島と奄美諸島を結ぶマルエーフェリー(奄美海運)の「フェリーきかい」が接岸しています。約9時間かけて奄美諸島の喜界島奄美大島徳之島沖永良部島を結びます。一般的な旅客のみを扱うフェリーではなく、艦首甲板にコンテナを搭載する貨客船となっています。

「フェリーきかい」と僚船の「フェリーあまみ」がコンテナを搭載するため、北埠頭は旅客ターミナルとコンテナふ頭が混在する形になっており、時間帯によってはコンテナを抱えたフォークリフトが頻繁に往来します。なので、北埠頭で撮影を行う際には、なるべくフェリー接岸エリアに立ち入らないか、荷役作業中のフォークリフトに細心の注意を払う必要があります。ちなみに私は去年、DD「はるさめ」の入港を撮影中、危うくフォークリフトに轢かれそうになりました。

間もなく鹿児島港に到着します。心躍った「いずも」360°ビューも間もなく終了です。「いずも」は防波堤の向こう側で、長期の訓練航海で疲れた身体を休めるかのように停泊しています。この佇まい、私にはネコが丸くなってひなたぼっこしているように見えます(笑)
厳しい訓練航海中の休日、ゆっくりとお休みくださいませ。

恐らく、「いずも」はその大き過ぎる船体ゆえに北埠頭に入港・接岸できなかったのでしょうけど、それを逆手に取ってフェリーで「いずも」を周回して眺めるというユニークなイベントを企画した鹿児島地本に対して、心から敬意を表するとともに厚く御礼申し上げます。来年夏のイベントも期待しています (笑) 来年もぜひ尖ったイベントを!
来春には2番艦「かが」が就役し、呉に配備されます。来年の夏も今日のように、「かが」を様々な角度から撮影したいものです。

鹿児島湾に停泊する「いずも」を様々な角度から撮影…こんな尖った企画を実施した鹿児島地本に拍手!