海上自衛隊 五大基地の概要


   横須賀 〜最新鋭艦が揃う海自の中枢基地〜                               神奈川県横須賀市

<概要>
首都・東京に近いことから自衛艦隊司令部・護衛艦隊司令部・潜水艦隊司令部などが所在する海上自衛隊の中枢的な基地。
吾妻島を挟んで吉倉と長浦の二つの地区に分かれており、吉倉地区には護衛艦や補給艦などの大型艦が、長浦地区には掃海母艦や掃海艇のほか喫水が浅い小型艦が停泊する。近年、吉倉地区に逸見岸壁が完成し、長年苦しんでいた岸壁不足が緩和された。
<歴史>
慶応元年(1865年)に徳川幕府が設置した造船所を起源とする伝統ある港。明治になって旧日本海軍が横須賀鎮守府を設置(明治17年)、以来今日まで首都防衛を受け持つ海軍基地として重要な位置を占めている。旧海軍の横須賀軍港の大部分は在日米海軍基地となっており、海自の敷地は旧横須賀軍港のごく一部分に過ぎない。

<所在部隊>

横須賀地方総監部・横須賀地方隊隷下部隊・自衛艦隊司令部・護衛艦隊司令部・潜水艦隊司令部・掃海隊群司令部・開発隊群司令部・情報業務群司令部・海洋業務対潜支援群司令部・海上訓練指導隊群司令部・第1護衛隊群司令部・第2潜水隊群司令部・第1護衛隊・第6護衛隊・第11護衛隊・第2潜水隊・第4潜水隊・第6潜水隊・第1掃海隊・第1海洋観測隊・第1海上補給隊・横須賀海上訓練指導隊
<在籍艦艇>
海自の中枢的な基地ということで定係港とする艦艇も多く、総数は35隻に達する。
最新鋭DDH「いずも」が配備されているように、護衛艦は1番艦や2番艦といったその時代の最新鋭艦が配備される傾向がある。
呉と共に潜水艦が配備されているほか、砕氷艦「しらせ」や特務艇「はしだて」といった特殊任務に就く艦艇を擁しているのも特徴。

DDH183 いずも DDG179 まや DDG174 きりしま DD101 むらさめ DD107 いかづち DD110 たかなみ DD111 おおなみ
DD116 てるづき DD152 やまぎり DD153 ゆうぎり DD154 あまぎり AOS423 ときわ AGB5003 しらせ ASE6102 あすか
AGS5104 わかさ AGS5105 にちなん AGS5106 しょうなん MST463 うらが MSO304 あわじ MSO305 ひらど MSC604 えのしま
MSC605 ちちじま MSC606 はつしま SS505 ずいりゅう SS506 こくりゅう SS509 せいりゅう SS512 とうりゅう SS592 うずしお
SS595 なるしお SS597 たかしお SS598 やえしお SS599 せとしお ASR404 ちよだ AMS4305 えんしゅう ASY91 はしだて
LCU2002 輸送艇2号


<基地公開>
実施されていない。かつては毎週日曜日に艦艇が見学できたが、2001年のアメリカにおける同時多発テロを機に無くなった。
しかしながら、毎年7月下旬頃にヨコスカサマーフェスタが開催されるほか、年に数回、不定期に艦艇の一般公開が行われる。
<おすすめ撮影ポイント>
ヴェルニー公園…最もポピュラーなポイント。新設された逸見岸壁に接岸している艦艇が間近で撮影可能。ただし新設によって吉倉桟橋に付けている艦艇は撮りづらくなった。対岸にある在日米海軍の艦艇も撮影できる。最も横須賀らしい雰囲気の絵が撮れる場所。日中を通してほぼ順光で光線条件は申し分ない。
安針台公園…横須賀総監部の背後地にある高台の頂上にある公園。吉倉桟橋に付けている艦艇を見下ろす形で撮影できる絶好のポイント。出入港場面に出くわせば最高にカッコイイ艦艇の姿が撮影できる。まさに横須賀一の撮影ポイント。ただ、フェンスをよじ登っての危険な姿勢での撮影を余儀なくされる。また場所が辺鄙なため移動に苦労する。(最寄の京急安針塚駅から徒歩20分!)
JR横須賀駅上の高台…横須賀総監部庁舎や逸見岸壁、吉倉桟橋を一望できるポイント。↑の画像を撮影したのもこの場所。ただ高台の頂上なので、国道16号(横須賀街道)トンネル脇の階段を延々と登ることを余儀なくされる。中腹で足が上がらなくなり、頂上に着く頃には歩くこともままならないほど疲れ果ててしまう。気合と根性が不可欠な撮影ポイントである。
<遊覧船>
今や横須賀の代表的な観光資源となった
「YOKOSUKA軍港めぐり」が1日5〜7便で、毎日運航している。吉倉・長浦両地区に停泊している艦艇を至近距離から撮影できるが、どの便に乗っても光線は逆光となる。晴天の日に艦艇を美しく撮影するのは至難の業。
【運航会社】 潟gライアングル 046-825-7144  料金:大人1400円 乗り場:汐入町ダイエー裏の桟橋
<アクセス>
【総監部住所】 〒238-0046 神奈川県横須賀市西逸見町1丁目無番地 046-822-3500
【最寄り駅】
総監部・吉倉地区:JR横須賀線「横須賀駅」、京急線「汐入駅」・「横須賀中央駅」(快特利用時)
長浦地区:JR横須賀線「田浦駅」、京急線「京急田浦駅」
【最寄りIC】横浜横須賀道路「横須賀IC」

    〜個性的かつバラエティ豊かな艦艇が集う元「東洋一の軍港」〜                     広島県呉市

<概要>
東の横須賀と並ぶ旧海軍時代からの主要基地で、規模・在籍艦艇数は横須賀に匹敵する大規模な基地である。
瀬戸内海の奥まった場所(呉湾)にあるため、戦後は戦略的な価値が低下し、長らく後方支援的な性格の基地だったが、90年代半ばに練習艦隊司令部と第4護衛隊群司令部が移転して以降、性格を大きく変えた。現在は防衛・後方支援・教育という総合的な任務を担う重要基地となっている。桟橋・岸壁の数が多く、五大基地中最大の係留能力を持つ。
<歴史>
明治22年に旧日本海軍が呉鎮守府を開設、戦前は海軍最大の基地で東洋一の規模を誇る軍港だった。さらに呉海軍工廠は世界最高の造船技術を誇り、戦艦大和を生み出したことでも有名。港外には連合艦隊の集結地だった柱島泊地もあり、海軍時代は呉が中枢の軍港だった。

<所在部隊>

呉地方総監部・呉地方隊隷下部隊・練習艦隊司令部・第4護衛隊群司令部・第1潜水隊群司令部・潜水艦教育訓練隊・第4護衛隊・第12護衛隊・第1潜水隊・第3潜水隊・第5潜水隊・第1練習隊・第1練習潜水隊・第1輸送隊・第1海上訓練支援隊・第1音響測定隊・第3掃海隊・第101掃海隊・呉海上訓練指導隊
<在籍艦艇>
かつては後方支援的性格の基地だったため大部分を補助艦艇や支援艦艇、老朽護衛艦が占めていた。しかし90年代後半から最新鋭護衛艦が配備されるようになったほか、「おおすみ」型輸送艦や「ひびき」型音響測定艦、練習艦など特徴的な艦が集中配備されている。さらに潜水艦・補給艦・敷設艦・掃海母艦・掃海艇などが加わる在籍艦艇は多種多彩で、このような様々な種類の艦を見ることができるのが呉の魅力である。在籍艦艇数は横須賀をも上回る40隻。
DDH184 かが DD105 いなづま DD106 さみだれ DD113 さざなみ DD158 うみぎり DE229 あぶくま DE234 とね
TV3508 かしま TV3518 せとゆき TV3520 はたかぜ TV3521 しまかぜ AOE422 とわだ LST4001 おおすみ LST4002 しもきた
LST4003 くにさき ATS4202 くろべ ATS4203 てんりゅう MST464 ぶんご MSO306えたじま MSC690 みやじま ASR403 ちはや
SS501 そうりゅう SS502 うんりゅう SS503 はくりゅう  SS504 けんりゅう SS507 じんりゅう SS508 せきりゅう SS510 しょうりゅう
SS511 おうりゅう SS593 まきしお SS594 いそしお SS596 くろしお SS600 もちしお TSS3608 おやしお TSS3609 みちしお
AOS5201 ひびき AOS5202 はりま AOS5203 あき ARC483 むろと AMS4304 げんかい


<基地公開>
毎週日曜日に午前10時〜11時、午後1時〜2時、午後3時〜4時の3回、各1時間づつ基地が公開される。その日の広報担当艦を見学することが可能。見学は基本は上甲板のみだが、運が良ければ艦内に入ることも可能。ただし、見学日の20日前から10日前までの間に、人数に関わらず事前にFAXによる申請を行う必要がある。また同じく日曜日に、旧呉鎮守府庁舎である呉地方総監部第1庁舎を見学することもできる。こちらも艦艇見学同様に事前申請が必要。
<おすすめ撮影ポイント>
アレイからすこじま…潜水艦桟橋と国道478号に挟まれた臨海公園(というか遊歩道)。潜水艦桟橋に停泊する潜水艦やからすこじま埠頭に接岸する音響測定艦を超至近距離で撮影できる絶好のポイント。艦艇マニアなら知らぬ人はいない有名かつ人気のスポットである。国道を挟んだ反対側には「セブン・イレブン潜水艦桟橋前店」(すごい店名だ!)があってとても便利。この場所で艦艇を眺めながらお弁当を食べる時間はまさに至福のひととき…♪
串山公園横の高…串山公園入口から道路を挟んで反対側にある高台からDバースとEバースを俯瞰撮影できる。艦艇が多数係留されている際には軍港らしい一枚を撮影できる。↑の画像は当ポイントで撮影。やや距離があるので望遠レンズが必須となる。撮影ポイントといっても実態は高台を通る獣道の途中であり、両端には私有地(畑)が広がる。畑を荒らさないよう注意が必要。
日新製鋼岸壁…潜水艦桟橋やFバースに付けている艦艇を横から撮影できるほか、からすこじま埠頭(Aバース)に接岸している音響測定艦等を正面もしくは後方から撮影できる。また艦艇の出入港に出くわせば迫力ある画像が撮れる。しかしながら工場の敷地内であり、平日は貨物船の荷役作業が行われていて立入不可能。休日限定の撮影ポイントである。
<遊覧船>
観光シーズン(4月下旬頃〜10月頃)の休日・祝日に
「呉湾観光遊覧船」が運航されている。各バースに係留されている艦艇や潜水艦を至近距離から撮影可能。また沖合いに停泊していることが多いDDH「いせ」や「おおすみ」型輸送艦を撮影するには格好の手段である。沖合いに停泊している艦の撮影は江田島(小用港)行きのフェリーに乗るのも手。
【運航会社】 泣oンカー・サプライ 082-251-4354  料金:大人1500円  乗り場:呉中央桟橋
<アクセス>
【総監部住所】 〒737-8554 広島県呉市幸町8-1 0823-22-5511
【最寄り駅】JR呉線「呉駅」
【最寄りIC】広島呉道路「呉IC」

   佐世保 〜イージス艦のメッカ、鎮西の重要拠点〜                              長崎県佐世保市

<概要>
海上防衛の西の拠点として重要な役割を担う基地。規模や在籍艦艇数は横須賀や呉に及ばないものの、艦隊の中核を担う護衛艦が五大基地の中で最も多く配備されるなど戦略的な重要性が際立つ基地である。
大型艦が接岸する立神桟橋と小型艦用の倉島岸壁の2ヶ所に分かれるが、立神桟橋は在日米海軍基地内に間借りしている状態。さらに航路や沖合い停泊の場所が日米地位協定によって一方的な制約を受けるなど、海自基地としての利便性と完結性にやや難があるのが悩み。
<歴史>
旧日本海軍によって明治22年に佐世保鎮守府が開設される。日清・日露戦争では大陸への前進基地としての役割を果たし、日本海海戦でバルチック艦隊を打ち破った連合艦隊もここから出港した。大正・昭和期は現在と同様に大型水上艦の母港として活況を呈した。


<所在部隊>

佐世保地方総監部・佐世保地方隊隷下部隊・第2護衛隊群司令部・第2護衛隊・第5護衛隊・第8護衛隊・第13護衛隊・第2掃海隊・佐世保海上訓練指導隊
<在籍艦艇>
在籍艦艇の数は24隻と横須賀や呉には及ばないが、護衛艦が五大基地で最も多い15隻が配備されており、水上戦闘艦艇の一大母港の様相を呈している。特筆すべきは、「虎の子」とも言えるイージス艦が3隻も在籍している点で、まさにイージス艦のメッカである。さらに新型DD「あきづき」型が2隻も配備されているのも特徴。「はやぶさ」型ミサイル艇も2隻配備されている。
DDH182 いせ DDG173 こんごう DDG176 ちょうかい DDG178 あしがら DDG108 はぐろ DD102 はるさめ DD104 きりさめ
DD108 あけぼの DD109 ありあけ DD115 あきづき DD117 すずつき DD119 あさひ DD157 さわぎり DE230 じんつう
AOE424 はまな AOE426 おうみ MSC601 ひらしま MSC602 やくしま MSC603 たかしま PG826 おおたか PG829 しらたか
AMS4303 あまくさ LCU2001 輸送艇1号


<基地公開>
倉島岸壁で土曜・日曜・祝日の午前9時〜11時、午後1時〜3時30分の間、艦艇の一般公開を実施している。当日の広報担当艦に乗艦することができる(ただし上甲板のみ)。立神桟橋の方は在日米海軍基地内ということもあり立ち入りはほぼ絶望的。マニアにとって超魅力的なイージス艦だが立神桟橋に入って撮影するのは夢のまた夢というのが現実。8月上旬に開催される佐世保シーサイドフェスタでは港務隊の曳船による港内クルーズが実施され、立神桟橋の至近距離まで近づいてくれる。
<おすすめ撮影ポイント>
干尽岸壁…倉島岸壁の対岸にあたる場所。倉島岸壁に接岸する艦艇を撮影することができる。また望遠レンズを使えば立神桟橋に付けている大型艦(後ろ姿だが…)を撮影することも可能。このポイントの最大の売りは艦艇の出入港シーンを至近距離から撮影できる絶好の場所であること。特に倉島岸壁から出港する艦艇は、手が届きそうな近さから撮影することができる。
<遊覧船>
港内の大部分を米軍が管理しているため長らく観光遊覧船の運航がなかったが、2015年5月に
「SASEBO軍港クルーズ」として念願の遊覧船定期運航が始まった。3月中旬頃〜11月までの土・日・祝日に1日1便(午前11時30分発)が運航されている。立神・倉橋両桟橋に停泊する日米の艦艇を至近距離で撮影できるほか、湾内に停泊している輸送艦等の大型艦を撮影できるのも魅力。ただし、1日に1便しかないために乗船券の売り切れに注意!早めのご予約を。
【運航会社】 佐世保観光情報センター 0956-22-6630 料金:大人2000円 乗り場:新みなとターミナル前桟橋
<アクセス>
【総監部住所】 〒857-8567 長崎県佐世保市平瀬町18番地 0956-23-7111
【最寄り駅】JR佐世保線「佐世保駅」
【最寄りIC】総監部・立神桟橋:西九州自動車道「佐世保中央IC」  倉島岸壁:西九州自動車道「佐世保みなとIC」

   舞鶴 〜暴走する半島国家と対峙する最前線基地〜                              京都府舞鶴市

<概要>
日本海側における防衛拠点。日露戦争後〜昭和初期〜戦後という長い間、戦略的にさほど重視されない基地だったが、1998年の北朝鮮によるテポドン発射実験や翌99年の能登半島沖不審船事件の前後から最前線基地としての性格が強まった。すぐ近くには航空基地も整備され、今や北朝鮮の暴走に睨みを効かせる日本海の砦である。係留施設は全長1020メートルにも達する北吸桟橋一本で、この桟橋に縦列駐車の如く艦艇が一直線に接岸するという珍しい基地である。
<歴史>
明治34年に旧海軍の舞鶴鎮守府が開設される。初代司令長官は東郷平八郎中将だった。以後、日本海に臨む唯一の軍港として整備されてきた。しかし、大正期に軍縮による経費削減と戦略的な重要性の低下から要港部に格下げとなった。鎮守府に再昇格するのは昭和11年である。


<所在部隊>

舞鶴地方総監部・舞鶴地方隊隷下部隊・第3護衛隊群司令部・第3護衛隊・第14護衛隊・舞鶴海上訓練指導隊
<在籍艦艇>
海軍時代、舞鶴籍の艦艇は老朽艦や小型艦ばかりで、そのオンボロ艦の集まりは「舞鶴艦隊」と揶揄された。海自の基地となった後も海軍時代と同様、他基地からのお下がり=旧式艦が多く顔を揃えていた。しかし、96年にイージス護衛艦「みょうこう」が配備され、さらには北朝鮮を睨む最前線基地としての性格が強まると、「はやぶさ」型ミサイル艇やイージス護衛艦「あたご」、補給艦「ましゅう」など最新鋭かつ高性能の艦艇が配備されるようになった。現在の「舞鶴艦隊」は14隻と小所帯だが、その顔ぶれは充実している。
DDH181 ひゅうが DDG175 みょうこう DDG177 あたご DD118 ふゆづき DD130 まつゆき DD151 あさぎり DD156 せとぎり
DE233 せんだい MSC681 すがしま MSC688 あいしま PG824 はやぶさ PG828 うみたか AOE425 ましゅう AMS4301 ひうち


<基地公開>
毎週土曜日と日曜日及び祝日に北吸桟橋が公開され、当日の広報担当艦に乗艦することができる(上甲板のみ)。日によっては広報担当艦がなく、桟橋からの見学のみという場合もある。見学時間は午前9時から午後4時まで。同じく土・日・祝日には舞鶴地方総監部敷地内にある海軍記念館や舞鶴航空基地(第23航空隊)も見学可能。
<おすすめ撮影ポイント>
文庫山学園…北吸桟橋の東側にある小高い山の頂上に老人福祉センター「文庫山学園」があり、その駐車場から北吸桟橋やユニーバーサル造船舞鶴事業所が一望できる。特に桟橋東端に接岸する「ましゅう」や「あたご」「みょうこう」を撮影するのには最適な場所。実に舞鶴らしい景色が撮影できる好ポイント。
前島埠頭…小樽・苫小牧行き新日本海フェリーの乗り場がある埠頭。ここの西側の岸壁から北吸桟橋に接岸している艦艇群やユニバーサル造船の艤装岸壁にいる艦艇を撮影できる(↑の画像はここで撮影)。また、出入港シーンを狙えるのもこの場所で、その画像はまるで海上から撮影したかのような迫力満点の一枚となる。難点は、釣り客という「最大の敵」が待ち受けていること。
舞鶴市役所裏(赤レンガ博物館裏)…舞鶴市役所と赤レンガ博物館の裏は駐車場と海に面した歩道があり、そこから舞鶴地方隊第44掃海隊に所属する掃海艇を撮影することができる。また、近年この場所に遊覧船の乗り場が設けられ、赤レンガ博物館と合わせて舞鶴観光の一大拠点となりつつある。
<遊覧船>
「海軍ゆかりの港めぐり遊覧船」が4月〜11月の土・日・祝日に運航している。午前11時30分発と午後12時30分発の2便だが、GWなどの観光シーズンには増便される。北吸桟橋やユニバーサル造船に接岸している艦艇が撮影可能だが、遊覧船が艦の超至近距離まで近づくので迫力満点の姿が撮影できる。さらに艦艇の前方・側面・後方というあらゆる角度での撮影も可能。まさに艦艇マニアをパラダイスへと導いてくれる魅力的な遊覧船である。稀に現役自衛官によるマニアックかつ分かりやすい生解説もある。
【運航会社】 虚葬゚港遊覧船 0773-77-0344  料金:大人1000円  乗り場:赤レンガ博物館裏
<アクセス>
【総監部住所】 〒625-8510 京都府舞鶴市字余部下1190 0773-62-2250
【最寄り駅】JR舞鶴線「東舞鶴駅」
【最寄りIC】舞鶴若狭自動車道「舞鶴東IC」

   大湊 〜過酷な自然条件とも闘う北方艦隊の拠点〜                              青森県むつ市

<概要>
五大基地の中で唯一、旧海軍の鎮守府に由来しない基地。東西冷戦時代には対ソ連の防衛拠点として緊迫する北の海を守り続けてきた。ソ連が崩壊し冷戦構造が集結した今でも、警備区に津軽海峡と宗谷海峡を抱えるためその重要性は変わることなく、依然として不安定な北の海に睨みを効かせている。本州最北端に位置することから、猛烈な風雪に晒され艦艇も凍てつくという過酷な自然条件とも闘うことを余儀なくされる。
<歴史>
明治38年、旧海軍が南樺太の領有権保護のため大湊要港部を開設。以来、太平洋戦争時の第5艦隊をはじめとする北方艦隊の拠点として機能した。終戦直前にはウルシー環礁攻撃のため伊400型潜水艦がここから出撃した。戦後は海軍時代の施設が海自に引き継がれ、基地内には北洋館や1万tドックなど、帝国海軍の面影が随所に残っている。


<所在部隊>

大湊地方総監部・大湊地方隊隷下部隊・第7護衛隊・第15護衛隊・大湊海上訓練指導隊
<在籍艦艇>
かつては「いしかり」「ゆうばり」「ゆうべつ」という北方専用の特徴的な護衛艦が在籍していたが、残念ながら2010年度までにすべて退役した。そのため2011年3月までは在籍艦艇は護衛艦5隻、補助艦艇1隻という僅かな数にとどまっていたが、佐世保より「まきなみ」、舞鶴から「すずなみ」という最新鋭のDDが2隻も転籍した。「まきなみ」「すずなみ」はこれまで大湊に在籍した護衛艦としては最大かつ最高の能力を有する艦で、北方艦隊の戦力アップに大きく寄与している。一方で、大湊在籍艦のドック入りの時期をずらすために「じんつう」と佐世保の「おおよど」を入れ替えた。現有戦力は護衛艦7、補助艦艇1の合計8隻となっている。
DD103 ゆうだち DD112 まきなみ DD114 すずなみ DD120 しらぬい DD155 はまぎり DE231 おおよど DE233 ちくま
AMS4302 すおう



<基地公開>
毎週土・日の午後1時30分〜午後2時30分の間で基地内の艦艇(広報担当)を見学できる。また、旧海軍と海自の歴史史料を展示した北洋館(旧水行社の建物)が、年中無休で公開されている。主に北方防衛に関する史料や歴代の大湊在籍艦の遺品を展示しているが、貴重な史料も多くて一見の価値あり!
<おすすめ撮影ポイント>
大湊総監部東門脇の多目的広場…第1突堤に接岸している艦艇を手が届きそうな至近距離で撮影できる。また、第1突堤越しに第2突堤や第3突堤にいる艦艇も撮影可能。第1突堤との近さは基地内にいると錯覚するほどで、突堤からの近さと完璧なポジショニングが可能という点では、呉の「アレイからすこじま」をもしのぐ絶好の撮影ポイントである。
海望館…大湊総監部近くの水源池公園内に去年4月にオープンした観光交流施設。その名のとおり、海抜55m(地上15m)の高さから大湊基地全体と停泊する艦艇を眼下に見下ろすことができる。さらに、基地の背後に広がる特徴的な砂州(芦崎)や陸奥湾全体も見渡せる絶景ポイント。地上15メートルの展望台へはエレベーターで上がることができ、階段を登らなくてもいいのが嬉しい。
<遊覧船>
なし。ただし、毎年5月下旬もしくは6月上旬に開催される「マリンフェスタin大湊」で、曳船YTによる陸奥湾(芦崎湾)内クルーズが実施される。美しい釜臥山を背景に広がる大湊基地と、基地内に停泊する艦艇群は海自基地髄一の美しい景色であり、マリンフェスタに来場した際にはぜひ乗船してみて欲しい(会場にて先着順で配布される乗船券が必要)。
<アクセス>
【総監部住所】 〒035-8511 青森県むつ市大湊町4-1 0175-24-1111
【最寄り駅】JR大湊線「大湊駅」